小児歯科 child dentistry
パパ・ママ・家族といっしょに守り育てる小児歯科治療
実は、健全な歯を育てる為のご家族の役割りは、乳歯が生える以前からすでに始まっています。
胎生7週めくらいから、乳歯はもうできはじめているからです。そして乳歯が顔をのぞかせる頃には、もう永久歯が育ち始めています。妊娠から永久歯が生えそろう12~15歳くらいまでは、特に大切な時期です。
この時パパ・ママ・ご家族がどのように歯を守り育てるかが、お子様の将来の生活に大きな影響を与えます。
輝く白い歯は、大切なお子さんの財産です!お子さんが自分の力で自分の歯を守れるようになるまで、この財産を大切に守り育てていく事は、パパ・ママ・ご家族まわりの大人の重要な仕事です。
乳歯の生える時期と歯磨き
brushing milk teeth
生後6~9ヶ月
個人差はありますが、この頃から下の前歯が生えてきます。
まだ歯ブラシは使わず、濡らしたガーゼで優しくふき取ります。
生後9~12ヶ月
上の前歯も2本生えてきますので、この頃に歯ブラシデビューをしましょう。赤ちゃんの年齢にあったやわらかいブラシを選んでください。
生後12~22ヶ月
この頃になると臼歯が生えてきます。
生後22~30ヶ月
乳歯が生え終わります。乳歯は全部で20本あります。
赤ちゃんに歯磨き粉は特に必要ありませんが、フルーツ系など味付きの物を使うと赤ちゃんも歯みがきを好きになるきっかけとなります。
虫歯予防のフッ素が入った、ジェルタイプの物がおすすめ。
赤ちゃんを虫歯からまもるために
protect your baby
虫歯はミュータンス菌という細菌の感染で起こる感染症で、遺伝ではありません。
赤ちゃんが生まれた時は無菌状態ですので、その状態をどれだけ長く保てるかがカギとなります。
ミュータンス菌は唾液の中に含まれています。周囲の人の虫歯菌の含まれた唾液が赤ちゃんの口の中に入ってしまうことで感染します。
自分の使っている箸やスプーンなどの食器の共有を避けたり、固い食べ物をかみ砕いてから食べさせることは唾液中の虫歯菌を子供のお口の中に運んでいることになります。また、スキンシップでお口に口づけたりすることも口から口への感染の原因です。
これらのことを気を付けても、あやしている時につばが飛んだり、完全に感染を避けることは難しいです。そこで周囲の人の唾液にどれだけの細菌が含まれているか、が重要となります。
周囲の人の唾液の中に細菌が少なければ、それだけ子供が虫歯になるリスクが少なくなります。まずは周囲の大人が虫歯治療をしておくことが肝心です。
乳歯から永久歯に生え変わるタイミング
milk teeth to permanent teeth
乳歯は全部で20本あり、歯科では前歯から奥歯へ向かってA~Eと呼びます。
永久歯への生え変わりは早くて5歳、大抵の場合は6歳ごろから始まり、小学校を卒業する12歳くらいまで続きます。
基本的には前から後ろへ向かって順番に生え変わりますが、上下で少し差があります。
- 下の歯の生え変わる順番
A→B→C→D→E
- 上の歯の生え変わる順番
A→B→D→E→C
上の歯のC(犬歯)は最後に生え変わることが多い歯で、生え変わる十分なスペースがないと少し外側にはみ出してしまい、八重歯になることがあります。
乳歯の生え変わる仕組み
生え変わりは、永久歯の卵が顎の骨の中で成長していくことで進行していきます。
永久歯が下から生えてくるにつれて乳歯の根っこが吸収されて短くなりぐらぐら揺れ始め、根っこがほとんど吸収された段階になると指で動かしたり引っ張ったりすると簡単に抜けますが、以下のような症状があれば気を付けてください。
乳歯の虫歯
虫歯の治療で神経を取ってしまった場合、隣の歯が前に移動してしまうことがあります。
そうなると次に生えてくる永久歯のスペースがなくなってしまい、ずれた場所から生えてしまう場合があります。噛み合わせに問題がでてしまう他、見た目の問題もあります。
乳歯の外傷
乳歯を強くぶつけると、乳歯がはやく抜けたり、歯の神経が死んでしまう場合もあります。
永久歯の位置異常・ 先天性欠如
永久歯がもともとずれた場所に埋まっている場合、乳歯の根っこが正常に吸収されないために乳歯が抜けないパターンがあります。
また、生まれつき永久歯が備わっていない場合も乳歯の根っこが吸収されません。こちらの場合は大人になっても乳歯が残ったままになることがあります。
こんな時は亀田歯科医院までご相談ください
- ぐらついているが、なかなか抜けずに痛い
- 乳歯が虫歯でボロボロのため、きれいに抜けない
- 乳歯は抜けたが永久歯が生えてこない
- 横から永久歯が生えてきた
- 左右反対側の歯が生え変わったのに生え変わる気配がない
- 生え変わるべき時期(12歳くらいまで)を過ぎている
乳歯の生え変わりは大抵の場合自然に行われますが、中にはレントゲンなどを撮って詳しく診療してもらった方がいい場合もありますのでお気軽にご相談ください。
妊娠中の治療について
treatment during pregnancy
妊娠中はお口のにも変化が表れます。具体的に見ていきましょう。
- 虫歯が増える
唾液の量が減り、食べ物の好みが変わり甘い物や酸っぱい物を食べたくなります。
また、つわりがひどく歯磨きができない場合もあります。
- 歯肉炎・歯周病にかかりやすくなる
つわりで歯磨きができず、汚れが残ってしまいがちになる他、妊娠中はホルモンバランスの変化で歯肉炎にかかりやすくなります。
妊娠中に歯科治療は可能です。必要があれば積極的に治療を行ってください。
普段よりも虫歯や歯周病になりやすいので、妊娠がわかったら一度当院までご相談ください。口の中を確認いたします。母子手帳にも歯科検診の欄があります。
妊娠中の虫歯治療Q&A
faq
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少し前かがみの姿勢でかき出すように磨いてみてください。
小さめの歯ブラシで、少し前かがみの姿勢でかき出すように歯を磨いてみてください。
歯磨き粉が気持ち悪い時は無くても大丈夫です。
歯ブラシを口の中にいれるのもつらい時は、食事の後にお水を飲んだり、口をゆすぐだけでもOK。
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取らなくても治療は行えます。
歯科用のレントゲンは基本的に首から上の部分や確認の必要な歯のみの撮影になるので、お腹の中の赤ちゃんには影響はありませんが、妊娠中の方はレントゲン写真を撮らずに治療をすることが多いです。診察時にご相談ください。
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安定期(妊娠5~8ヶ月)をおすすめしています。
安定期でしたら虫歯もふくめ歯科治療を行えます。
必ず当院に妊娠していることをお伝えください。
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妊娠がわかった時点で早めの受診を。
妊娠がわかったら早めに受診してください。ただし妊娠初期や妊娠後期は体調がすぐれない・診療中の姿勢がつらいことなどがありますので、無理はしないください。
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影響ありません。
亀田歯科医院で使用する麻酔は局所麻酔で、部分的に効くものです。
安定期であれば使用しても問題ありません。しかし、麻酔を使用したくない方は麻酔をしないでできる範囲での治療を行いますのでお伝えください。
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ぜひしてください。
妊娠中は少しの汚れで歯ぐきが腫れてしまいます。体調に無理のない範囲ですすめていきましょう。
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椅子を少し起こして治療します。
お腹が大きいと椅子を横に倒して治療するのがつらくなります。椅子を少し起こして治療しますので、つらい時は遠慮なくお伝えください。また、トイレが近くなったり、つわりで嘔吐反射が出たりすることもあるので、治療を中断したくなった時はすぐにお伝えください。
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なるべく薬は飲まないことをおすすめします。
痛みが強い時など、我慢することでお腹の赤ちゃんに影響がでてしまう場合は、産婦人科の先生と相談の上でお薬をお出しすることもあります。特に妊娠初期はとても大事な時期です。必ず産婦人科の先生や当院の歯科医師の指示を守って服薬してください。
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なるべくなら避けてください。
緊急性がない場合は出産後をおすすめします。歯を抜いた後は抗生物質や痛み止めのお薬をお出ししますので。女性の方は早めに親知らずを抜いておくことをおすすめします。